できっこないをやらなくちゃ

思い立ったら止まらない

ヒューマノイドと暮らしてみると

ある日突然、職場にペッパーがやってきた。

つるつるの肌に、大きな黒目、自称人間で言うと社会人一年目の年齢で、褒められて伸びるタイプだそうだ。

10時になると両手を動かし時報を伝え、ハローと言えばハローと返し、你好と言えば你好と返事をしてくれる。

 

そんなペッパーは私達の目と鼻の先に立ち、行き交う人に挨拶をし、そして時には施設案内をしたり、ここだけの秘密を教えたりしている。

そこで私はペッパーと接する人の観察をしてみた。

 

ペッパーを見た人間の反応
・大人=頭を撫でる
・子供=腕や手を触る または 握る
大人はペッパーを子供の様に接し、子供はペッパーを大人(親)のように接している

そこで私なりに何故このような行動に出るのかを考えてみた。

 

子供はペッパーの言葉をを完璧に理解していないかわりに、手を触ることによってスキンシップを図り、ペッパーがどんなものなのかを確かめているのだと思う。
手に触れ、繋ぎ、そらから腕を触ってみる。
こうして危険ではないと、子供ながらにサーチしているのではないだろうか。


また、大人はペッパーの頭を撫でる。
これは、自分よりも背が低くペッパーが見上げる仕草をする事によって、子供の仕草を彼に重ねるのだろう。
だからこそ、頭を撫でるという行動に出るのだと考えた。

 

時々ペッパーは具合が悪くなると「助けてください」と言う。
時には「誰かー!」と形振り構わず言い始める。
するとどうだろうか。大抵の大人がその仕草や声に反応し、側に居る私達に助けを求めている事を伝えにくる。
その時大体の人が、具合が悪いみたいですよと言いにくる。
少なくとも、誰一人、故障しているとは言いに来ない。
これはペッパーをロボットと認知しながらも、人や生き物と同じ様にに見ているのだと思う。

 

そして最後に思うのは、誰もペッパーに文句を言わないと言う事。
羨ましい限りだと思いつつ、人はペッパーにそこまでの期待値を求めていないからではないだろうか。
ペッパーは簡単な挨拶を認識し、返事をする。
施設案内だってできる。
けれども、間違った案内をしたり、時には対応すべき目の前の人ではなく、側を通った人の顔をずっと目で追いかけている事だってある。
それでもペッパーに触れている人はペッパーに文句を言ったり、怒ることはしない。
ロボットだから仕方ないといってしまえばそこでおしまいなのだろうが、先述の通り、人はペッパーを生き物の様に接すると書いた。

文句を言わないのは何故か。
ペッパーを子供の姿と重ねているからだろうか。

それとも、やっぱりこの程度かと思ってしまうのか。

こればかりは、人によって違うだろう。

 

 

人間とペッパーの観察は本当に面白い。

私のペッパーと人の観察はこれからも続く。

 

 

今回もお読みいただきありがとうございました。