レールを脱線する時
小学校から国立の学校に通い、友達は塾で会い、成績の良い悪いは塾のクラスで競い合う。
殆どの生徒がバスや電車に乗って通学する為、近所には友達が居ない。
遠くから通学する子に至っては県をまたいでやってくる。
学校へ行き、帰宅したら夜10時まで塾に行き、そして寝る。
ずっとそれの繰り返し。
周りのみんながそんな生活だから、それが普通だと思っていたけれど、よくよく考えてみればとんだブラック企業ならぬ、ブラック学生生活だ。
反抗期には学校を仮病で休んでみたり、学校と塾の宿題に追われ、答えを丸写ししてみたりしながら、親が敷いたレールの上を走り続け、親が選んだ企業に就職先を決め、社会人になって数年が経った。
そして、いま思う事。
非常につまらない。
贅沢な悩みかもしれないし、ただの我儘なのかもしれない。
けれども、誰かに言われて何かをする事に、つまらないという気持ちが出てしまった。
されるがままに生きるのは、ただのマリオネットである。
こうしなければならない、こうするべきだとは一言も言われた事は無いが、自然と言われる事に従う事が当たり前になっていた。
そんな生活が染み付いたからか、良し悪しは別として、何かをする時や自分のしたい事をする時、してもいい?と聞く癖がついてしまっているのも、悩みの種だ。
そこで思い立ったのが、自分で選んだ会社で働くという事だった。自発的に何かをする。
今こそ、レールを脱線する時なんだと。
誰かが用意したレールを走るのでは無く、自分自身でレールを作り走っていくのだと。
そんなこんなで、夏から転職活動をしてきた結果、幸いにも新しい会社とめぐり合う事ができた。
今の職場を辞める事を周りに伝えると、十中八九口を揃えて”勿体無い”と言う。
有名企業として名を連ねる会社を辞める事に対する勿体無いなのか、今の環境から離れる事への勿体無いなのか。
それは勿体無いと言った人によって、それぞれで違うだろう。
けれど、これだけは言える。
運良くこれまでの経験を活かした職種に就く事ができて、私は本当に良かったと思っている。
外資系企業という未だ見ぬ世界で、どれだけの事が出来るのか。
そしてどれだけの事が学べるのか。
クライアントに対するカスタマーサティスファクションを高め、そしてハイパフォーマーとして活躍できる日を目指して。
ドキドキは止まらない。
新しい道をもうすぐ走り始める。
今回も読んでくださり、ありがとうございました。